超訳 空海の人間学

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超訳 空海の人間学 "人はなぜこんなに苦しむのだろう 心の中に救いの秘密(タカラ)があった"
わかりやすく空海の言葉の真理を解説した超訳本。生きるための救いとなる言葉で溢れています。

2017年12月に表紙をリニューアルしております。

構成
  1. 空海の原文の紹介
  2. 空海の原文の翻訳【超訳Ⅰ】
  3. 空海の原文の翻訳【超訳Ⅰ】をさらにわかりやすく和歌のように翻訳【超訳 Ⅱ】
  4. 空海との「問答」により、空海の言葉の真理を深くわかりやすく紹介
はじめに ~『超訳 空海の人間学』序文~ 著者・矢山利彦より

空海の人間学へのおさそい 

激動する世の中、溢れる情報、その中でどう生きていったらよいのかと迷わない人は少ないでしょう。でも視点をかえれば答えが見えてきます。自分の外の世界の情報にあまり振り回されずに、内なる世界に目を向けるのです。そして意識の成長と進化を自分の目標として見すえるのです。そのための知識を「人間学」と言いましょう。  
今回機会を得て、空海大師の思想を超訳して紹介させていただきます。筆者は外科医師ですが、医学の画像診断やデータでは理解できない人間の心の悩み、深い闇のようなものに触れて、また自分自身のことでも悩み、どう考えてよいのか眠れない日が時々ありました。そんな時に空海大師の著作を繰り返し読んでいると、大天才空海大師の人間味、悩みの超え方がみえてくることがありました。
空海大師を読み始めて 30年を過ぎますが、現代人にとって空海大師は益々必要で、新鮮に思えてきます。空海大師の著作から自分の心に響いた部分を選んで、できるだけ分かるように訳しました。それを超訳Ⅰとします。そしてそれをさらに圧縮して、記憶に残るような短文にし、超訳Ⅱとしました。読者の皆様は、超訳Ⅱをメモにして時々読み返していただくと、空海大師の励ましやアドバイス、問題解決のヒントが聞こえてくるではないかと思っています。そこから興味が湧いたら原文にチャレンジしていただけると筆者の喜びです。また空海大師も喜んでくれるでしょう。

本書より抜粋

空海の人間学-1- 「秘蔵宝鑰の序詩」 


【原文】

三界の狂人は狂せることを知らず
四生の盲者は盲なることを識らず
生まれ生まれて生まれ生まれて生の始めに暗く
死に死に死に死んで死の終わりに冥し。

秘蔵宝鑰の序詩

【超訳Ⅰ】

あなたが正しいと信じている情報、世界観、生き方は本当に正しいでしょうか。それ が正しいかどうかということを考えてみたことがありますか。
もし間違っていても、間違っているかどうか検討したこともない、それは眼の見えない人が、自分が眼の見えない者であることに気がつかないのと同じです。
こんなことを考えたくないあなたも必ず死にます。そしてまた生まれて、同じように眼の見えない状態で生きていくのでしょうか。

【超訳Ⅱ】

あなたも必ず死ぬ。そこから物事を考えて下さい。

人はなぜ真実の道に入っていかないのだろうかという、
空海大師の嘆きが伝わってきます。


【原文】

吁々、自宝を知らず、狂迷を覚といえり。

秘蔵宝鑰の序

【超訳Ⅰ】

密教を学び、修行を行えば、自分の心の深奥に仏の智慧というすばらしい宝があることを悟る。それを知らずに狂い迷っているにもかかわらず、それをさとりだと思っている。

【超訳Ⅱ】

心中に真宝あり。



空海の人間学-1- 「秘蔵宝鑰」心の奥に秘蔵された宝を開く鍵



【原文】

秘密主、心と虚空界と菩提との三種は無二なり。これらは悲を根本となして、方便波羅密満足す。

第八一道無為心

【超訳Ⅰ】

仏道により真実の悟りを求めて修行する者よ、あなたの心が、自分を超えて周囲の多くの人達の苦しみを受け取り、悲しみに共感し、それだけでなくそれを何とか救いたいと願い、そのための実践を営々と行う時に、あなたの心は無尽蔵の宇宙エレルギーと一体となり、宇宙に遍満する真実の情報を受け取ることができるようになるのです。

【超訳Ⅱ】

他を大きく広く大切と思う時、心は宇宙につながって行くのです。

【原文】

近くして見難きは我が心、細にして空に遍きは我が仏なり。
我が仏、思議し難し。我が心広にして大なり。

第九極無自性心

【超訳Ⅰ】

自分の心を見る心が目覚めてくると、心は自分という枠の中だけにとどまっているのではないことがわかってきます。そして、自分の中には全ての束縛から解き放たれ、微細なことから、極大なことまで認識できる仏心があることに気がついてきます。そして仏心は時空を超えた力を持つことがわかってくるのです。その仏心は知的な理解の範囲を超えていますが、自分の心を仏心と一体にすると自分の心はどこまでも大きく広がって行くのです。

【超訳Ⅱ】

自分の中にすばらしい心の力が眠っているのです。

空海の人間学-3- 「般若心経秘鍵」から心の滋養をいただく


【原文】

頌に曰く、
観人智慧を修して
深く五衆の空を照らす
歴却修念の者
煩を離れて一心に通ず

【超訳Ⅰ】

観ること自在になることを目指した修行者は、三密加持による瞑想によって深い深い智慧を得ました。その結果、色、受、想、行、識という五つの存在の根源相は、さらに深い真の根源より生じていることを見通しました。そしてその真の根源を「空」と名付けました。長い間修行している者たちはこのことを知って迷いから離れて、この心経の「深」であり「即」である方法を会得したのです。

【超訳Ⅱ】

存在の根元を発見した先人は、それを 「空」と名付けた。