小周天気功法の理論
人体の発生は、受精した卵子から始まります。
この発生の途上でまず形成されるのが、脊椎とその先端の脳になる部分で、それから徐々に内臓や手足が形成されていきます。
つまり、人体の司令センターとなる中枢神経系が最初に出来始め、それから末端の部所が左右対称にできてきます。
成熟してこの世に生まれ出てからも、この人体の正中線の部分は急所とされ、
武術においては攻撃防御の要所となっています。
東洋医学においても人体の前面・後面の正中線上には重要なツボが多く集まっており、診断治療のポイントとなっています。
このようなことから、「人体の正中線上に重要なエネルギーのルートがある」と古くより直感的に把握されてきたのでしょう。
このエネルギーのルートは、
・体の後の正中線では督脈
・体の前の正中線では任脈
と称されてきました。
そして、任脈、督脈に「気」を循環させることを「小周天」と呼んでいます。
小周天のルートを解剖学的に見ると、督脈上では脊髄・副腎・脳の視床下部・下垂体(これらは内蔵機能・ホルモン系の中枢)、任脈上には甲状腺・胸腺・すい臓・腹腔神経叢・性腺などの人体の自律機能の主要機関が並んでいます。
近年、生理学的研究でこれらの自律神経もバイオフィードバックなどの手法を用いると、意識によってコントロール出来ることが明らかとなっており、ヨーガの達人には実際には実際にそれを容易に行う人もいることが観察されています。
ヨーガではそれをチャクラの開発という技法によって達成しますが、気功法では「気」という感覚を用いて、小周天法を達成するわけです。
そして人体の自律的諸機能が小周天によって促進化されれば、諸病は癒えるというのも、医学的に十分可能なことであると考えられます。
東洋医学の見地から小周天法を考えてみると、任脈・督脈は十二正経とは別の奇形に属し、
・ 十二正経のうち6つの陰経の責任を持っているという意味で任脈
・ 6つの陽経を監督しているという意味で督脈
と称されていると考えられます。
任脈・督脈に「気」が十分に巡ると、十二正経の「気」の停滞がなぜ解消されるかというのは、古典に記載はないようです。
実際の十二正経の流れ図と、督脈・任脈の流れ図を見ると大椎・百会・壇中・中院・関元などの重要な経穴(ポイント)でクロスしていることがわかります。
したがって十二正経の「気」の滞りは徐々に解消していくことになり、また督脈・任脈の「気」の流れが発達した人、すなわち小周天法を達成した人は、十二正経の「気」の滞りは生じなくなっています。
気功法は、気の滞りをなくして、気がスムーズに流れる体にするためのメソッドです。
矢山式気功法の創始者である、矢山利彦医師は、患者さんが気功を行うことによって、自らのエネルギーを高め健康になる方法として矢山式小周天気功法を構築しました。
ドクターであることから理論的にもしっかりしており、「気」といった見えない世界を曖昧に語ることを極力排除しています。
方法論を明確にし、誰でも納得して行うことができる気功法を確立しています。
矢山式気功法は、書籍・DVD・オンラインセミナーなどで誰でも簡単に学ぶことができます。